【令和8年度】最低賃金改定は7月が動き出しのタイミング
- 公開日
- 最終更新日
毎年この時期になると、顧問先から最低賃金について相談を受ける機会が増えてきます。
- 「最低賃金は今年はどのくらい上がりそうですか?」
- 「うちで時給を上げないといけない人は誰ですか?」
- 「Aさんだけ時給を上げると、周りは不公平に感じるかも……どうしたらいい?」
こうした相談に対して、改定額が決まってから対応を始めるだけでは、十分な提案が難しいケースもあります。
最低賃金改定の2つのポイント
① 顧問先が意図せぬ「最低賃金割れ」を防ぐ
まず確認したいのが、最低賃金を下回る従業員が発生しないかという点です。
「うちの従業員はみんな最低賃金より高い時給だから大丈夫だよ」
と顧問先から言われても、そのまま安心するのは早計です。
最低賃金の確認は、時給額を見るだけでは十分とはいえません。
月給制の従業員について時間額へ換算する際の計算や、賃金の対象となる手当・対象とならない手当の判断を誤ると、意図せず最低賃金を下回ってしまうおそれがあります。
実際に計算してみて、- 「時給制の従業員は問題なかったが、月給制の従業員が最低賃金を下回ってしまう」
- 「○○手当は賃金の対象とならないため、最低賃金を下回ってしまう」
といった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最低賃金違反は法令上の問題となるだけでなく、企業への信頼や人材の定着、採用活動にも影響を及ぼしかねません。
② 賃金バランスへの影響を考える
もう一つ重要なのが、賃金テーブル全体への影響です。
最低賃金付近の従業員の時給を引き上げた結果、ベテラン従業員や中堅社員との賃金差が縮まり、処遇への不満につながるケースがあります。
最低賃金への対応は、一部の従業員だけの問題ではありません。
対象者だけを調整する「点」の対応ではなく、会社全体の賃金バランスを踏まえた「面」の対応として考えることが重要です。
令和8年の発効時期はどうなる?
令和8年度(2026年度)の地域別最低賃金改定に向けた議論は、6月下旬からスタートしています。
今年度のポイントとして注目したいのが、「発効時期の厳格化」です。
昨年度(2025年度)は、最低賃金の引上げ幅が過去最大となった影響で、一部地域では最低賃金の発効日が翌年3月までずれ込むケースがありました。
これを踏まえ、今年度は発効時期を大幅に後ろ倒しする運用は望ましくないとの考え方が示されており、例年どおり10月頃の発効を見据えた議論がすすめられています。
だからこそ、7月頃に中央最低賃金審議会から目安額が公表されたタイミングで、顧問先への影響を試算できる体制を整えておくと安心です。
早めに取り組みたい2つの準備とは
① 最低賃金に近い従業員を把握する
パート・アルバイトだけでなく、短時間正社員や地域限定社員なども含め、最低賃金に近い従業員をあらかじめ確認しておきます。
目安額が公表されれば、どの従業員が影響を受けるのか予想がつけやすくなります。
② 賃金テーブル全体への影響を試算する
最低賃金付近の従業員だけでなく、- 人件費総額はどの程度増えるのか
- 上位層との賃金差はどう変化するのか
- 顧問先はどこまで対応できそうか
といった視点で、賃金テーブル全体への影響を整理しておくことが重要です。
改定額が正式決定してから慌てて対応するのではなく、7月の段階でシミュレーションしておくことで、秋までに経営者と具体的な対策を検討する時間を確保できます。
『最適給与クラウド』で効率よくシミュレーション
とはいえ、従業員ひとりひとりの給与を確認し、最低賃金の判定や賃金バランスへの影響を手作業で試算するのは簡単ではありません。
そこで活用したいのが、『最適給与クラウド』の「最低賃金チェッカー」機能です。
所定内給与と所定労働時間をもとに、従業員の給与が最新の最低賃金を満たしているかを自動でチェックできます。
各都道府県ごとに異なる最低賃金を自動で照会し、従業員ごとに最低賃金を満たしているかどうかをシステムが判定。もし基準を下回っている場合には、そのまま不足額を補うために必要な月額給与を自動的に算出し、提示する仕組みになっています。
個別の従業員のチェックはもちろん、給与計算ソフトから出力したCSVをアップロードするだけで、全従業員をまとめてチェックすることができます。
アップデート予告:2026年夏に「最低賃金チェッカー」が進化!
最低賃金のチェックに加えて、最低賃金を満たす給与額にした場合に、どれくらい事業主負担額が増えるかも算出できるようになります。
※画像は開発中のものです。実際の製品とは異なる場合がございます。
※アップデート時期につきましては、後日最適給与クラウド製品サイトでお知らせいたします。
『FORROU』で要チェック対象を確認
『FORROU』の「事業所ダッシュボード」も、最低賃金引き上げの対象者を見つけるヒントになります。
実際の給与データをもとに、最低賃金(※)を下回っている場合に「最賃」欄にチェックマークが表示されます。
「この人は要注意かもしれない」とひと目でアタリを付けられるだけでなく、チェックマーク隣の「¥マーク」のアイコンから、賃金台帳をさっと確認できるのも嬉しいポイントです。
※最低賃金は全国加重平均を基にしています。「実際に最低賃金引上げの対象になるか」は、各都道府県の基準に基づき個別に確認してください。
関連:FORROUサポートサイト
事業所ダッシュボードの利用方法
まとめ
- 最低賃金割れを防ぐことはもちろん、賃金バランスや人件費への影響まで見据えて早めに準備を進めることで、顧問先へより踏み込んだ提案ができるようになります。
- 令和8年度は、発効時期の運用も踏まえ、昨年より早めの準備が重要になりそうです。
7月頃の目安額公表をきっかけに、秋の改定に向けた提案を始めてみてはいかがでしょうか。