「賃金台帳」の中に潜んでいるビジネスチャンス

「賃金台帳」の中に潜んでいるビジネスチャンス

社労士業務は賃金に関わる業務が大きなウェイトを占める

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社労士事務所では顧問先の賃金について、勤怠データ含め全体の賃金データを把握することは、大変重要であり、また実務の上で必要なものですね。
「給与計算」を受託していない顧問先は、その賃金の把握は各月の帳票を借りて、またそのコピーをとったり、またその写しをもらって、そのデータを転記したり、表計算ソフトにデータを打ち込んだり、時には事務所の「給与計算」ソフトにデータを登録されているのではないでしょうか。
「月変」「算定」や「年度更新」では取り合えずなら、各人別の「総額」だけの登録でもかまいませんが、実際の手続き、処理ではやはり、その総額に対する具体的な内容も確認したい場合があります。また「出勤日数」や「欠勤日数」等の勤怠、「各手当」も手続きの内容によっては必要になります。

「給与計算」を受託していない顧問先のデータでも、先生の事務所のパソコン内で管理し、時と状況により個人別の明細書、賃金台帳を自由に出力できたり、確認したり、時に編集をおこなうことができるなら、社労士事務所の重要な業務である賃金に関するさまざまな処理がより正確に、また効率的に行うことができるのではないでしょうか。

「給与計算」を受託していない顧問先の給与管理実情

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一般的に「給与計算」を受託していない顧問先は、給与計算後の帳票等を送ってもらい、賃金や勤怠内容を把握します。しかし「給与計算」を受託していない顧問先では、間違った社会保険料を控除していたり、残業の計算が正しく行われていなかったり、入社退社の日割り計算が誤っている等、正確に給与計算が行われていないケースが多々あります。
従業員数が少ない事業所であれば、紙面などの渡された資料から誤りを見つけ、顧問先に指摘することも容易ですが、従業員が多いと昇降級のチェック、月変、年齢などのチェックは大変手間のかかる作業です。月変に該当していたのに気づかず遡っての月変手続き、介護保険に該当していたのに介護保険料を徴収していなかった、取得時訂正のやり忘れ、などこのようなことが続くと顧問先との信頼関係に影響します。
また、紙面で賃金データを把握している場合、離職票や傷病手当金申請、労災8号請求などの賃金台帳添付の業務は、賃金台帳をエクセル等で作成したり、顧問先に個別の賃金台帳を再度送ってもらうなど大変手間がかかります。

「賃金台帳」の中に潜んでいるビジネスチャンス

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入退社、月変、算定、労働保険、労災、出産、36協定、就業規則、昇給、人事考課、未払い残業など、賃金管理と労務管理は切っても切れない関係にあります。社労士業務は賃金に関わる業務が大きなウェイトを占めるため、「賃金台帳」や「給与明細」を利用する機会が大変多いです。
「賃金台帳」や「給与明細」を見ると、正しく保険料が控除されているか、時間外手当はどのように計算されているか、時間外手当の平均値、年間の総労働時間、昇降級の時期と額、雇用継続給付をはじめとする各種給付金が受けれるか否かなど、労務管理につながるさまざまな情報を読み解くことができます。
「賃金台帳」や「給与明細」の中に潜んでいるビジネスチャンスを見逃さないためには、「給与計算」を受託していない顧問先も効率的な賃金管理が必要です。本年4月、労基法が改正され、長時間労働の割増率アップまた時間単位の有給付与が可能になりました。これら時間外労働や有給の管理も社労士事務所にとって重要な業務となっています。今後もさらに全体の詳細な賃金や勤怠情報の把握が必要となってきています。

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