2020年11月24日(火)のe-Gov更改では、目に見える部分以外にも内部で多くの変更が施されるようですが、その半数近くは電子申請サービス関連とアナウンスされております。
- 「更改で何が変わるの?」
- 「実務にどのような影響があるの?」
など疑問・不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、電子申請を使われている、または使おうとしているユーザー様向けに変更内容を抜粋してまとめましたので、本記事をお役立ていだだけましたら幸いです。
※本更改内容は「台帳」ユーザー様の実務において、「台帳」でAPI連携できる部分については直接的に影響を及ぼさないものとなっております。
[1-1]ログインアカウントが必須に
これまではアカウントの作成をしなくても電子申請の利用が可能でした。電子申請の前に別途「パーソナライズ」と呼ばれるアカウントと紐づけることによって、申請状況の確認や公文書の取得を一覧で行うことができました。
しかし、「到達番号」や「問い合わせ番号」の管理が煩雑でした。「パーソナライズ」を使わない場合は「問い合わせ番号」を個人で記録しておく必要もありました。
更改により、ログインアカウントの作成が必須になり、ログインをしてから電子申請を行う形式に変更されました。
従って、「パーソナライズ」と紐づけする作業は不要になるほか、ログインアカウント内で完結する為「問い合わせ番号」がなくなり、申請状況の確認も行い易くなります。
また、申請書の入力で必要となる「申請者情報」等もログインアカウントの情報から自動で取得することができます。
過去の申請については、新しいログインアカウント内で「到達番号/問い合わせ番号」「パーソナライズID」の確認を行うことで、引き続き参照することが可能のようです。
[1-2]GビズIDを用いたログイン
上記のログインアカウントに「GビズID」を使用することができるようになります。
社会保険労務士など代理申請を行う方々は、下記の点にご留意いただきたいです。
※2020年11月更改時点での運用ルールです
- GビズID特有の「委任申請機能」については未対応なので、代理申請を行う受任者はこれまで通り手続きごとに「提出代行証明書」や「委任状」の添付が必須
[2]マイページの新設
既存の「パーソナライズ」の代わりとなるページです。申請状況の確認や各機能への移動が簡単になります。
[3]預かり票の廃止
これまでは添付書類を付すためにその数だけ何回も「預かり票」を保存して入力操作して…という作業が必要でした。
今回の更改で預かり票が廃止され、書類の添付や電子署名が簡単になります。
署名が必要な書類を選び、一括で署名するということもできるようです。
[4]その他の更改(抜粋)
その他の更改内容について、抜粋してご紹介致します。
- UI(ユーザーインタフェース)の変更、マルチサイト形式導入によりサイト内が分かりやすく
- 申請書入力における画面遷移数が削減
- MacOSに対応
- スマホで申請状況を確認できるように
- 申請データをパスワード付で保存可能に
- トライアル環境の実装
新機能のトライアル環境では、実際に電子申請する時と同じ方法/フォームで練習することができます。
送信をクリックしても、現実の行政機関に対して提出されることはありません。
総じて、電子申請ビギナーの方でも取り組みやすい設計になったと言えるでしょう。
[5]今後の電子申請
2020年のe-Gov更改の概要について把握いただけましたでしょうか?
労務手続きにおける電子申請は「e-Gov申請」と「マイナポータル申請」が有ります。
API連携対応のソフト数や対応帳票数を鑑みると、2020年10月現在、社労士の電子申請は「e-Gov申請」がベターと言えるのではないでしょうか?
現段階の「マイナポータル申請」と「e-Gov申請」の比較については下記記事をご確認ください。
「マイナポータル申請」と「e-Gov申請」徹底比較!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。