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    株式会社セルズ

2020年 年末調整の変更点

平成30年度の税制改正により個人所得課税の見直しが行われ、年末調整の手続きが変更になります。主な変更内容をまとめました。

基礎控除額の改定

基礎控除額は所得の多寡に関わらず一律38万円でしたが、2020年以降は基礎控除額が38万円→48万円と引き上げになります。
これに伴い、住民税の基礎控除の額にも変更が生じます。
住民税は、都道府県または市町村が計算するもののため年末調整業務に直接影響はありませんが、2021年6月以降の給与から天引きされる徴収税額に影響します。

なお、48万円の基礎控除額が適用されるのは合計所得金額が2,400万円以下の場合に限られます。
合計所得金額が2,400万円を超えると、基礎控除の額は段階的に引き下げられ、2,500万円を超えた場合は控除対象から外れることとなります。

合計所得金額 基礎控除額
2019年 2020年
2400万円以下 38万円(33万円) 48万円(43万円)
2450万円以下 32万円(29万円)
2500万円以下 16万円(15万円)
2500万円超 0円

※括弧内の金額は住民税の基礎控除額

給与所得控除額の改定

給与所得控除額についても以下の表の通り、引き下げが行われます。

給与等の収入金額 給与所得控除額
2019年 2020年
180万円以下 収入金額×40%
※65万円に満たない場合は65万円
収入金額×40%-10万円
※55万円に満たない場合は55万円
360万円以下 収入金額×30%+18万円 収入金額×30%+8万円
660万円以下 収入金額×20%+54万円 収入金額×20%+44万円
850万円以下 収入金額×10%+110万円
1000万円以下 収入金額×10%+120万円 195万円(上限額)
1000万円超 220万円(上限額)

2020年以降の給与所得控除の上限額に達する給与収入は1000万円→850万円となりその控除額は220万円→195万円となります。
給与収入が850万円以下についても給与所得控除額が10万円減少しますが、その減少分が基礎控除に振替されているため(38万円→48万円)、税負担は2019年と変わりません。
850万円を超える収入の方は給与所得控除額の上限が195万円のため増税となりますが、次に説明する所得金額調整控除が適用できる場合は税負担が緩和されます。

3.所得金額調整控除の新設

給与収入が850万円を超える介護や子育てをしている世代の負担が増えないようにするため「所得金額調整控除」が新設されました。
所得金額調整控除が適用できる条件は給与収入が850万円を超えかつ、下記3つのうちいずれかに該当する場合です。

  • 本人が特別障害者に該当する場合
  • 特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族がいる場合
  • 23歳未満の扶養親族がいる場合

控除額は(給与等の収入金額(1000万円を超える場合は1000万円)-850万円)×10%です(上限額15万円)
例えば年収950万円の場合
(950万円-850万円)×10% = 10万円
となり年収950万円の場合の給与所得は
950万円-195万円-10万円=745万円となります。
また、所得金額調整控除の新設により、配偶者(特別)控除額の表の「給与所得者の合計所得」欄において、所得金額調整控除の有無で給与収入のみの場合の金額が異なります。

配偶者控除額一覧表
配偶者の合計所得金額 給与所得者の合計所得900万円以下(1095万円 or 1110万円※) 給与所得者の合計所得950万円以下(1145万円 or 1160万円※) 給与所得者の合計所得1000万円以下(1195万円 or 1210万円※)
48万円以下 38万円 26万円 13万円
48万円以下で老人控除対象配偶者 48万円 32万円 16万円
配偶者特別控除額一覧表
配偶者の合計所得金額 給与所得者の合計所得900万円以下(1095万円 or 1110万円)※ 給与所得者の合計所得950万円以下(1145万円 or 1160万円)※ 給与所得者の合計所得1000万円以下(1195万円 or 1210万円)※
48万円超95万円以下 38万円 26万円 13万円
100万円以下 36万円 24万円 12万円
105万円以下 31万円 21万円 11万円
110万円以下 26万円 18万円 9万円
115万円以下 21万円 14万円 7万円
120万円以下 16万円 11万円 6万円
125万円以下 11万円 8万円 4万円
130万円以下 6万円 4万円 2万円
133万円以下 3万円 2万円 1万円

※括弧内の金額は給与収入のみの場合の金額です。括弧の左側は所得金額調整控除なし、右側は所得金額調整控除ありの場合。

寡婦(寡夫控除)控除の見直し

令和2年度の税制改正において寡婦(寡夫)控除の見直しが行われました。
ポイントは以下の通りです。
・婚姻歴のないシングルマザ-であっても適用が受けられるようにすること
・現行の所得制限については男性だけ500万円以下の所得制限があるものの、女性にも同様の所得制限を設けること

(現行)本人が女性の場合
配偶関係 死別 離別
本人所得 500万円以下 500万円超 500万円以下 500万円超
35万円 27万円 35万円 27万円
子以外 27万円 27万円 27万円 27万円
27万円

  は特別の寡婦。

(改正後)本人が女性の場合
配偶関係 死別 離別 未婚のひとり親
本人所得 500万円以下 500万円超 500万円以下 500万円超 500万円以下
35万円 35万円 35万円
子以外 27万円 27万円
27万円

  はひとり親控除。
  は寡婦控除。
新しく未婚のひとり親控除が新設されました。この控除により死別・離別に関わらず所得が500万円以下のひとり親に該当する場合は35万円控除することができます。
一方で、寡婦控除については所得制限(500万円以下)が設けられています。
そのため、子及び子以外を扶養に入れており所得が500万円を超えていた方は今年は寡婦控除を受けることができません。

(現行)本人が男性の場合
配偶関係 死別 離別
本人所得 500万円以下 500万円超 500万円以下 500万円超
27万円 27万円
子以外
(改正後)本人が男性の場合
配偶関係 死別 離別 未婚のひとり親
本人所得 500万円以下 500万円超 500万円以下 500万円超 500万円以下
35万円 35万円 35万円
子以外

  はひとり親控除。
寡夫控除に該当した方は今年はひとり親控除として35万円が控除可能です。

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